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そもそも整形外科とはどのような科なのですか?
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整形外科(Orthopaeie)の扱う領域は、姿勢の保持と身体運動にかかわる器官、すなわち脊柱(せきちゅう)、四肢の骨、関節、筋肉系の疾患(異常)です。骨、関節、筋肉、腱(けん)、靭帯(じんたい)の運動器官をはじめ、それらを支配する血管、脊髄、末梢(まっしょう)神経の奇形、変形、炎症、腫瘍(しゅよう)、代謝疾患などの諸疾患および骨折、脱臼、ねんざ、断裂、挫傷(ざしょう)などの外傷の病理を追求し、それらの診断を治療を行っています。運動器官の機能障害を回復させ、社会生活へ復帰させることを最終目的としています。
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美容整形とは関係ないですか?
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整形外科は関係ありません。美容整形とは美容外科のことで、形成外科という科が担当します。ちなみに形成外科は外科的に処置して醜状の改善をはかることを基本とした科で、美容外科もその中に含まれるということになります。
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接骨院とは関係ないのですか?
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整形外科は接骨院とは関係ありません。接骨院や整骨院(「柔整」や「ほねつぎ」ともいいます)の先生は、柔道整復師(じゅうどうせいふくし)という国家資格を持っており、専門学校で3年間必要な知識や技術を学び、国家試験を受けて資格を取得します。しかし医師ではありませんから診察行為(診断、投薬、注射など)はできません。歴史上の流れから言えば、柔道整復師は、日本の武術から分化発展したものです。
これに対し、整形外科医は医師であり、内科医や外科医と同じく6年間医学部で勉強し、医師国家資格を取得しています。歴史的には、西洋医学の外科学・解剖学から分化発展したものです。したがって整形外科ではレントゲンや超音波装置、MRIなどを用いて、医学的な診断を下すことができます。
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骨密度は測ってもらえますか?
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骨粗鬆症では、骨の量が減って骨が脆くなり骨折をおこしやすくなります。骨密度を計測することにより骨の量が測定でき、骨粗鬆症がどの程度進んでいるかを知ることができます。当院では、レントゲンで手の平の骨の骨密度を測っております。
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外反母趾なんですけど、予防策と治療法は?
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外反母趾とは足の親指(母趾)の先が外側の小指の方向に曲がり、親指のつけ根の関節の内側が突き出て、靴にあたり痛みます。原因は、格好の良い靴、すなわちつま先が尖った幅の狭い靴を履くことで、ことにハイヒールを履く女性に多く、足指(足趾)のつけ根から先が圧迫されて変形します。
外反母趾では親指が外側に曲がるだけではなく、足の先の方の骨の配列も崩れ、もともとある横のアーチが平らになります。予防として最も重要なことは靴で、母指のつけ根はやや締め気味で先端は余裕のある靴を履いてください。治療法として、- 足の指を開くような外反母趾体操をする。
- 輪ゴムを使い母指を開くような体操を行う。
- 外反母趾用のサポーターや装具を使う。
- 足底板を使う。
- 鎮痛消炎剤の内服、外用薬の貼付などがあります。
痛みが強く変形が強い場合は手術をすることもあります。
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やけど・包丁で指を切った・肩こり・筋肉痛などでも
整形外科で診てもらえますか? -
いずれの場合も診察いたしますのでご来院下さい。
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乳幼児でも診てもらえますか?
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大丈夫です。診察いたします。
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手(または足)がしびれるのですが・・・
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手、足のしびれはいろいろの原因で起こります。脳そのものの異常や血管に原因がある脳外科的な病気、糖尿病やホルモンの異常などの内分泌、代謝疾患によるもの、血管のつまりなどの循環器、血管外科的な病気などもあります。しびれは微妙な感覚のずれなので、明らかな麻痺などない場合には原因を特定することは難しいこともありますが、整形外科では背骨、手、足の神経に異常がないか診察します。
整形外科領域でのしびれの原因としては、首や背骨からくるもの(頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症。椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など)、背骨を出た後の手足の神経、すなわち末梢神経からくるもの(手根管症候群、肘部管症候群など)があります。
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指が痛いのですが・・・
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腱鞘炎は、更年期の女性に起こりやすく、また妊娠出産期の女性などにも生じます。指の曲げる腱(屈筋腱)で炎症をおこし屈筋腱や腱鞘が肥厚すると、曲げ伸ばしのときに腱がひっかかりばねのような症状が出てばね指と呼ばれます。治療法としては
- 安静できるだけ使わないようにする、炎症がひどい場合は副子などで固定することもある。
- 鎮痛消炎剤の内服や外用薬の塗布、貼付
- 腱鞘内注射
- 手術
などがあります。
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つき指は引っぱって直していいのですか?
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基本的にはその場で指を引くことはしないで下さい。関節が脱臼している場合、関節軟骨や靭帯の損傷を大きくする可能性があります。
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五十肩について教えて下さい。
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肩関節の周囲の靭帯、腱や筋肉などが老化して関節周囲の組織に炎症が起きることからおこると考えられています。炎症が強くなり、関節の動きを滑らかにしている関節および関節周囲の袋状の組織に癒着がおこると関節の動きが障害されます。多くはレントゲンでの変化はありませんが、そきに腱に石灰化が見られるものもあります。
痛みが強い時期には、三角巾などでの安静と消炎鎮痛剤の内服、注射などで治療します。
しかしあまり長い間動かさないと肩が固まってしますので、少し痛みがとれてきたら温熱療法や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。
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けがの応急処置について教えて下さい。
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つき指、捻挫、骨折が疑われるとき
RICE処置~
R(rest:安静)
I(icing:氷冷)
C(conpression:圧迫)
E(Elevation:挙上)
と副木固定をして整形外科を受診して下さい。ただし、長時間のC(圧迫)は血のめぐりや神経を障害し、手足の麻痺や壊死を起こすこともありますので注意が必要です。ぎっくり腰
ぎっくり腰になった場合はまず楽な姿勢をみつけ安静にすることが大切です。痛みが強い場合は整形外科を受診してください。